イケないオジさん
明けましておめでとうございます。
このセリフが使えるのは、辞書によると「松の内(1月7日ごろ)または小正月(1月15日ごろ)まで」となっている。でも年が明けたなぁと実感するのは人それぞれで、各々がいまだ!と思ったタイミングで発すればいいでしょう。
かくいう僕も年が明けたことは当然知っていたけど、そろそろ確定申告でもすっかー、とガサゴソ書類を引きずり出して「え、いまって2026年なの⁉︎」とびっくりして思わず合掌。明けましておめでとうございます。
いつもなら1月のどっさり雪が降ったあたりでスキーに繰り出して新年ひゃっほーとなるけれど、今年はなにせ年が明けてからほとんど台湾にいるので空気がぬるくてどうも調子が狂う。
でもよく考えたらこちらはちょうど旧正月(2月中旬)なので、「明けましておめでとう」は的外れどころかバッチリどストライクなのだ。
新年快樂〜
とはいえ春節期間中はあちこちで家庭用の打ち上げ花火が炸裂していて、それが夜中まで続くのでなんだか銃撃戦みたいで物々しい。朝になって河原をジョギングしているといたるところに花火の燃えカスが散乱していて、趣もなにもない。しかも台湾にいたおかげで投票にもいけず、自民党の圧勝をビール片手に眺めるだけというのもやるせない。
ふぅ
まぁそれはさておき、いまが令和何年なのかも知らないくせして今年はめずらしく新年の抱負なんてものを掲げてみた。
一言でいえば、ヒトに優しくなる、ということ。
はい、そうです。小学生みたいな抱負です。
でもこれが大人になるほど難しくなってきてる気がする。
特にここ最近は苦手な人が多くなっていて、「あいつは考えが浅いからダメだ」とか「人間としてつまらない」とかなぞに上から目線で見限ったり、それもまだいい方で、そのうち「顔がきらい」とか「声がでかい」とか、しまいには「なんか無理」と、わけも分からずわざわざ敵を作ってた。
そんで年末年始にキンキンに尖った学生と登り、先月山岳部の現役たちと城ヶ崎で登ったりして、ふと思った。
あ、このままじゃおれ頑固おやじになるかも。
目の前に燦然と輝く老害へのレッドカーペットが見えた。居心地のいい狭いコミュニティで批判に晒されることなく(むしろちやほやされて)ぬくぬくと暮らしていると、こってりバリカタの頑固オヤジができあがる。
若い子にモテモテのイケオジになってゆくゆくはかわいいおじいちゃんになることが目標なので、ここらでなんとか立ち直したい。
そういえば高校のときにバガボンドを読んでいて、30巻過ぎたあたりで武蔵が「引け目を感じず、見下しもせず、つねに真ん中にいたい」みたいなことを言っててコレだ!と感じたのを思い出した。
おそらく仏教の中道に近い考えで、どっちつかずではなく、重心を左右に傾けずにぶらさないことで視野が広くなり世界がすっきり見えるということだと思っている。
誰かを見限ったり不愉快に思うのはたぶん重心が傾いてるからで、その傾きに気づかずに歩いてるとどんどん視野は狭くなって足腰も悪くなる。
腐すのは感心するよりもエネルギー消費が少ないので、体力が落ちてくるほど悪口は増える。
そもそもたいていの人はちゃんと探せば面白いところもあるし、どう考えても良いところが見つからないクズはむしろ文化遺産並みに希少なので国家予算で保護すべきだ。
あいつはあんなしょーもないことするくらいだからどうせつまらん奴なんだろう、と思ってた人が話してみたらめっちゃおもろいとかはよくある話だし、たいがいダメな奴ほど魅力があるもので、食わず嫌いはもったいない。
そしてさらに大前提として、人は変わる。いや、芯の部分は変われないぞ、と思うかもしれない。でも嫌いなやつの内面なんてたぶん2インチくらいしか見えてないので、芯はそのままで表面が180度変わることなんて「世界で1秒に200本売れてます」くらいなレベルで起こっていてもおかしくない。自分も昨日言ったことが明日には大ウソになるなんてのは日常茶飯事なので、「お前話がちがうじゃないか!」などと怒鳴られても困ってしまう。とはいえ知り合った人全てが前とは変わっているかも、と思って話していたら認知コストがえぐいので、苦手な人にだけ毎回「はじめまして〜」と出会いなせばいい。会うたびに、うわっこいつ嫌なやつ、って改めて思うのもしんどいけど...
だからといって「いろんな人がいるよね」とか「人それぞれだよね」しか言わないつまらないニンゲンにはなりたくない。イケオジはときどき毒を吐いてこそイケオジだ。
毒にも痛快な毒とねちねち虫喰む毒がある。
痛快な毒、あるいは建設的な批判は、問題箇所を相手の人格からスパッと切り離して指摘するもので、むしろ薬に近い。
対して、ただの悪口はなまくら刀で、人格まで傷つけてしまう。
刃を定期的に研いでおかないと切り口はすぐに化膿するし、調合を誤ればたちまち有毒になってしまうのが批判なので、なかなか厄介だ。
だからそこイケオジは尖っていて懐がでかい。
要するに、まだまだ偉そうな口をきく歳じゃない。
人の恥を笑うよりもまずテメェが恥をかきやがれ、このクソガキがぁ!

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