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なにもする気が起きない

なんだか頭がどんより重い 最近空を黄色く濁らせてるあれのせいか 走ったり登りにいく気分でもないし、本を開いてもなにも入ってこない なにもする気がおきない うーん、料理でもするか レシピ見るのはめんどくさいから、少ないレパートリーのなかから何か作ろう 冷蔵庫を開けると、豆腐と油揚げ 野菜かごをのぞくと、ナスとエノキと人参が半分 とりあえず鰹節と水を鍋に入れて、IHのボタンを押す。ぐつぐつ沸くまでエノキを切る。油揚げを切る。ザクザク 出汁つゆを注ぎ、バラバラになった具材を無造作に入れる。エノキが一本こぼれ落ちる 豆腐を絞って、てのひらの上で井の字を描いたら鍋の中へ。お湯がはねてあぶない オタマ半分の味噌を取り、火を止めて箸でカチャカチャ。 蓋をして、ホッと一息 そういえば冷凍庫に鹿肉があったな 北海道の森の中に響く、二発のハーフライフルの暴力的な音。一歳のオスとメス。喉元にナイフを入れると、熱い血が雪面に小さな深い穴をあける。さっきまで生きていた瞳がいつのまにか濁ったビー玉になっている。魂が抜けた。 雪の上で解体するのは初めてだ。内臓から湯気がたちのぼり、冷えた手に血流が戻ってくる。みんなで皮を剥ぎ関節を外していくと、みるみるうちにバラバラになる。汗を流しながら穴を掘って、頭と背骨と毛皮だけになったシカを埋めた。 ビニール袋に包み、チルド便で山梨県に送られてこの冷凍庫にやってきた太ももの肉 ちょっと解凍してきた表面を包丁でこそぎ取っていく。溜まった肉片を、出刃包丁とナタで叩き切る。ダダダダダン、ダダダダダン カセットコンロにスキレットをのせて、ツマミをひねる。カチッと鳴って、ボボボッという音で炎がつく。IHを全部ガスコンロに替えたいといつも思っているけど、調べたことはない 花椒の粒を入れて、パチパチいうまで炒る。スキレットを振る手首がつらい。カリカリになったスパイスを入念にゴリゴリ潰すと、部屋中にピリッとした香りがたちこめる 茄子をさっと炒めて取り出したら、オリーブオイルをひきなおして、豆板醤とミンチにした鹿肉を入れる。 ここからは忙しい。擂ったニンニクと生姜、粉になった花椒を入れ、香りがたったら豆腐を... あ、豆腐の水を切り忘れてた。 火を止めて、豆腐をチンしてバタバタと水を抜く。 気を取り直してコンロのつまみをひねり、豆腐と溶いた片栗粉を流し込む。グツグツしたら火...

訂正とか習合とか

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チームプレーや勝ち負けにどこか虚しさを感じて、大学でふらっと入った山岳部からはじまった山登りと岩登り。それから飽きることなく続けている、というか気づけば人生の中心となっていたこの行為にはどんな意味があるのだろう?山の中ではまわりの自然と自分に真摯でありたいというこの切実さはどこからくるのだろう? そんなことごちゃごちゃ考えていないでただがむしゃらに登ればいいんだ、と思う自分もいるのだが、ほとんど意味のないような山登り、意味のないような人の生に思いめぐらせてみることになんとも言えない趣を感じるというか、そうせざるを得ないようなところがある。 2025年は面白い本との出会いがたくさん このよろこびを忘れないうちにしたためておかなければ。     とりわけ大きな出会いは、内田樹と釈徹宗の「日本宗教のクセ」という一冊。 本屋をぶらぶら、ふと目に入ってなにげなく手に取ったこの一冊から、少しずつ世界が広がりはじめた感覚があってなんだかワクワク。 大好きな人の本棚に何冊か並んでいた内田樹という名前に、 「うちだ、き...?」 と思ってなんとなく頭の片隅に残っていたことがこの本と出会ったキッカケというのも嬉しい。 「日本宗教のクセ」は二人の対話を文章に書き起こしたもので、「習合」をキーワードに、外から来た新しい概念をやんわりと取り込んでいく日本をゆるく語っていく。 仏教や神道に前から興味はあったが、なかなか複雑な上にデリケートで手を出せないと思っていた。でも本当はもっと人々の生活に根ざしたもので、それぞれの時代や場所で都合よく解釈されて信仰されてきたのだと分かると急に親しみが湧いてくる。 この本と出会う少し前に、東浩紀の「訂正可能性の哲学」を読んだ。 過去を書き換えるのではなく、過去の出来事を再解釈して現在を見つめなおす「訂正」という力がもつ魅力。 この2冊が自分の中で交差して、ぼんやりしていた輪郭がかたちを成しはじめてきた。 日本に仏教が入ってきたとき、土着の信仰である神道の神様は 実は仏様の化身だったのだ として神仏習合させた本地垂迹説なんて、まさに「訂正」そのものではないか。 それからこんなことを思いついた。 アルパインクライミングを密教や修験道と「習合」させて、いま自分が熱を上げている山登りを、古来から脈々と受け継がれてきたものと接続して「訂正」できないだ...